2012.05.17

バラが見ごろ

庭のつるバラが見ごろとなった。今年は春先から気温が低かったためか、例年より開花が遅く、しかも花数が少なめである。南側にはピンクの大輪(名称不詳)と赤のアンクル・ウオルター2本が門扉の上にアーチを造っている。2本とも約20年の樹齢である。2012_0516_131009cimg1545

このところピンクの大輪の方が元気で花数も多い。植えてある場所が違い、アンクル・ウオルターはすぐ隣にガレージがあり、土の部分が少ないためではないかと思う。花が散った後に伸びてくるシュートの本数もピンクの大輪の方がかなり多い。いずれアンクル・ウオルターの方が先に枯れてしまうかも知れない。2012_0516_131234cimg1548

開花後のバラにとっての大敵は雨である。最近、晴れていたかと思うと、夕立のように急に降りだす日が、2~3日続いた。雨に当たると花の中に水が溜まり、晴れると蒸されたようになり、萎れてしまう。ピンクは大輪だけにダメージが大きい。今年はまさに「花の命は短くて・・・」である。

一方、東側にある新雪、ブルー・ムーン、バター・スコッチの3本は開花が遅れ、3分咲き程度である。蕾は数多く付いているので、これから咲いてくるのであろう。しかしバター・スコッチには新芽が少なく、蕾も殆んど無く、どうなるのか心配である。再生を図らなければならない。2012_0516_131415cimg1550

また南側のフェンスには吊り鉢にゼラニュームとビオラが植えられている。これは妻が手入れをしているので、私は植え替え以外は手を出さない。ビオラは見ごろを過ぎたが、まだバラに負けじと頑張っている。

2012.05.12

映画 「わが母の記」

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「わが母の記」 脚本・監督 原田眞人 主演 役所広司 樹木希林 宮崎あおい

昭和の文豪と云われた井上靖が家族との実話を綴った自伝小説の映画化。2011年第35回モントリオール世界映画祭審査員特別グランプリを受賞した。

主人公伊上洪作は、子供の頃両親と離れて育てられたので、実の母親に対する屈折した思いを抱いている。伊豆湯ケ島に住む年老いた母親を東京に引き取ることになる。認知症が進む母親だが、決して忘れることのなかった息子への思いが伝わってくる。それを洪作も最後は受け入れる。

主演の役所広司もさることながら、何といっても樹木希林の母親役が素晴らしい。息子役の役所との会話でも、時折りアドリブではないかと思われるような言葉が飛び出し、認知症の母親を見事に演じた。樹木以外には考えられないキャストである。また三女役である宮崎あおいも、時には反発しながらも、父親の良き理解者となる娘を演じ好演であった。撮影は、井上靖が実際に住んでいた世田谷の自宅を使ったとのことで、居間や書斎など臨場感に溢れ興味深かった。

2012.05.05

孫と子供の日

雨の多かったGWのなかで唯一「子供の日」は五月晴れの良い天気となった。孫の○太郎の健やかな成長を祝って娘宅で祝い膳を囲んだ。我が家から妻の心尽くしのチラシ寿司、筍の煮物、和菓子屋で買い求めた柏餅を持参し、娘がハンバーグを焼いての和洋混合メニューとなった。2012_0505_120611cimg1531

昼の準備が整う迄、○太郎の世話をして欲しいとの依頼に、望むところとばかり近くの公園へ連れて行った。そこには幼児用にすべり台、ブランコ、砂場などがあり、子供を遊ばせるのに申し分ない。娘宅から10分足らずのところにあるものの、歩道の無い道路なので、○太郎は初めてとのことである。4~5歳の子供達と一緒に遊んでいる積りなのか、○太郎は人の口真似をしたり、大きな喚声を上げながら走り回っている。2012_0505_094741cimg1520

ブランコは「オジイちゃんと一緒に乗る」とせがむので、背中を押してやったり、隣に並んだりと忙しい。汗ばむ程の陽気で爽やかな風が心地よい。2012_0505_100900cimg1526

まだ遊びたがる○太郎を、お昼だからと強引に連れて帰る。外から帰ると必ず手を洗うように躾けられているので、自ら洗面所へ行く。それが終わると傍に置いてあるヘルスメーターを持ちだす。スイッチを押し、自ら乗って体重を読み取る。初めの頃は数字の羅列であったが、小数点を教えたら、最近は12,7と正確に読むようになった。2歳4カ月としては標準体重であろう。2012_0505_130938cimg1534

公園で走り回ったのでお腹が空いたのであろう。ご馳走を前に待ちきれないのか、手で掴んで食べようとする。写真を撮るので待ちなさい !と云うと素直に待っている。躾がキチンと出来ていて感心である。また、食べ物も好き嫌いが全く無く、幸いアレルギーの心配も無さそうなので、作る側は楽だ。その代わり味覚は敏感で、大人顔負けの本物志向である。

先日デパートへ連れて行き「キッズプレート」と称するお子様ランチを食べさせてみた。チキンライスにハンバーグ、チキンナゲット、ポテトサラダが添えられ、小さな英国旗が立っている。いかにも幼児が喜びそうなランチであるが、○太郎はハンバーグは一口食べただけで残してしまい、チキンばかり食べていた。確かにハンバーグはレトルト食品のような味で、私も好きになれない。チキンはそれ程美味しくはないが、鳥肉そのものの味である。つまり○太郎には、加工したものより、素材そのものの味の方が口に合っているのである。

昼のご馳走もチラシ寿司は美味しい ! とパクパク食べ、初めて食べる筍も嫌がらず、所謂大人の味を楽しんでいた。しかし初めての柏餅は、アンパンは好物なのに、食感が合わないのか半分残してしまった。

五月人形の金太郎のように「気は優しくて力持ち」になるよう願った「子供の日」であった。

2012.05.01

夏野菜の植え付け

私のGW(Gardening Week)が始まった。菜園は夏野菜の植え付けの時期となり、菜園仲間でも早い人は既に植え付けを終わっている。私は例年GWの後半に植え付けていたのだが、今年は3~4日は大雨の予報であったので早めに作業を終えた。2012_0501_165538cimg1461

最近、家庭菜園を楽しむ人が増え、スーパーやホームセンターで苗を扱っている。接木苗は1本300円以上するものもあり高価だ。そこで夏野菜の定番であるトマト・ナス・キュウリの苗を育てようと、3月初旬にポットに種を播きベランダに置いてみた。しかし3月は気温が低く、中々発芽せず、やがて発芽したものの未だ3~4cmの大きさで、とても菜園に植えられるような苗になっていない。2012_0501_164902cimg1456

止むを得ずホームセンターで苗を購入した。接木苗は連作障害を心配する必要が無いので、狭い菜園にはうってつけなのだが、あまりに高価すぎる。従って今年は全て自根苗にした。トマトは大玉・中玉・ミニで10本、ナス5本、キュウリ5本、ピーマン・甘長トウガラシなど5本である。これをそのまま植付けず、大きめのポットに植え替えて1週間置くと、見る間に太く成長し、今や菜園へのデビューを待っている。

畝には2週間程前に堆肥をすき込み、肥料を入れてあるので、植え付け前に黒フイルムのマルチングを行った。こうすることにより地温が上がるため、成長が早く、かつ雑草が生えてくるのを防ぐことができ、メンテナンスが楽になる。2012_0501_164745cimg1453

最近、雑誌に「コンパニオン・プランツ」の有効性が紹介されていた。トマトやナスにはニラを、キュウリにはネギを一緒に植え付けると、成長を促進したり、連作障害を防ぐ効果があるというものだ。早速トマト・ナスを植え付ける際にニラを2本づつと、ナスの根元には更にパセリを、またキュウリにはネギを2本づつ一緒に植え付けた。果たしてどのような結果になるか楽しみである。

2012.04.27

国立能楽堂特別企画公演 「阿古屋松」

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ー観世文庫創立20周年記念ー
世阿弥自筆本による能

解説 東京大学教授 松岡心平

復曲能 初演 「阿古屋松」 前シテ/木樵の老人 後シテ/塩竈明神  観世清和 ワキ/藤原実方 森常好 ワキツレ/従者 舘田善博 同 森常太郎 アイ/所の者 山本東次郎 笛 藤田六郎兵衛 小鼓 大倉源次郎 大鼓 亀井広忠 太鼓 観世元伯 主後見 木月孚行 地頭 梅若玄祥

国立能楽堂にて2日間に亘って行われた特別企画公演を観た。これは観世文庫が所蔵する世阿弥自筆による能本4曲を上演するもので、昨年12月から4回シリーズの最後の公演である。

世阿弥の自筆本は11曲残されており、その中で「布留」「難波梅」「松浦佐用姫」「阿古屋松」の4曲を観世宗家が主宰の観世文庫が所蔵する。なかでも「阿古屋松」は記録で見る限り今回が初演で、実に580年振りの上演となる。また東北が舞台であるこの能は、大震災の犠牲者への鎮魂と復興への願いを込めた企画とのことである。

物語は平安時代、陸奥国に赴任した藤原実方が、山中で出会った老人に歌枕として名高い阿古屋松について尋ねる。老人の正体は塩竈明神で、実方に松のめでたさを語り舞を舞う。初演とあって演者それぞれの緊張ぶりが見所にもピーンと伝わってくる。特にシテの宗家清和の力の籠もった謡・舞は最後まで途切れることなく続いた。たっぷり120分の熱演で世阿弥の世界を再現した。

2012.04.21

映画 「アーティスト」 「スーパーチューズデー」

「アーティスト」 監督 ミシェル・アザナヴィシウス 主演 ジャン・デュジャルダン ベレニス・ベジョ

今年のアカデミー賞の作品賞・監督賞・主演男優賞など5部門で受賞した話題作である。サイレントからトーキーへと変わっていく頃のハリウッドが舞台。サイレント時代の大スターが時代の波に乗れず凋落してしまう。一方、オーディションを経て上がってきた若い女優が、またたく間にスターの階段を駆け上がっていく。この大スターの苦悩と、献身的に支える若い女優との恋を描いた作品。

3D映画とは対極のモノクロで、しかもサイレント映画である。サイレント時代のチャップリンの映画を想い出すが、音楽や音の使い方はじめペット犬の演技?など映画ならではの演出が随所に見られる。見終わってからほのぼのとした気持ちにさせてくれる名画であった。

「スーパー・チューズデー 正義を売った日」 監督 ジョージ・クルーニー 主演 ジョージ・クルーニー ライアン・ゴズリング フィリップ・シーモア・ホフマン

アメリカ大統領予備選挙をテーマに選挙戦の裏側を描いた作品。今年の11月に行われる大統領選挙に向けて、すでに共和党の予備選挙がスタートしているので、実にタイミングが良い。フィクションとは云え、表面に出ない選挙本部スタッフの虚々実々の駆け引きやスキャンダルなどが描かれており面白かった。主演のジョージ・クルーニーは「ファミリー・ツリー」でアカデミー賞・主演男優賞にノミネートされたが、惜しくも受賞を逃した。

2012.04.13

銕仙会 4月定期公演

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能 「桜川」 シテ/狂女 西村高夫 子方/桜子 馬野訓聡 ワキ/磯部寺住僧 工藤和哉 ワキツレ/人商人 大日向寛 同/従僧 則久英志 同/従僧 野口琢弘 笛 寺井久八郎 小鼓 観世新九郎 大鼓 安福光雄 地頭 片山九郎右衛門 主後見 永島忠侈

狂言 「花争」 シテ/太郎冠者 善竹十郎 アド/主 善竹大二郎

能 「西行桜」 シテ/老桜ノ精 浅見真州 ワキ/西行上人 殿田謙吉 ワキツレ/花見人 森常好 同/同行者 宝生欣哉 御厨誠吾 野口能弘 アイ/能力 善竹富太郎 笛 杉市和 小鼓 林吉兵衛 大鼓 國川純 太鼓 三島元太郎 地頭 観世銕之丞 主後見 清水寛二

今月の定期公演は花の季節に相応しい桜尽くしの番組で、いずれも世阿弥作の名曲である。

「桜川」は人商人に自分の身を売った子供が、母親と常陸国桜川の辺にある寺で再会を果たすという物語。狂女となった母親の思いと、桜散る桜川の様子が重なり合う場面は謡曲としても聴かせどころである。西村高夫のシテは、高い調子で乱れる母の思いを表現し、緩急の付いた地謡と相俟ってドラマチックな舞台であった。

「西行桜」は都西山に隠棲し、一人静かに花に向かう西行の庵に老桜の木の精が現れ、歌問答をする。やがて夜明けと共に、過ぎゆく春を惜しむかのように消え失せる。休演の浅井文義に代わり浅見真州がシテを勤めた。実力者真州はベテランらしく、しっとりと舞い、銕之丞を地頭とする地謡陣の抑えた謡が、効果的に春の夜の静かなムードを醸し出した。

2012.04.10

神田川で花見

神田川沿いの桜並木を歩いた。地下鉄江戸川橋駅に学生時代のクラスメイト9人が集合。年に数回は集まって飲み会を開いているが、幹事役のS氏の提案で今回は花見となった。2012_0410_161531cimg1442

駅前から江戸川公園となっており、花見客が大勢歩いている。地理に不案内でも道に迷うことはない。神田川は三鷹の井の頭公園池を源とし、両国で隅田川に合流する。この辺りは河川改修工事により、河岸はコンクリートで固められているが、川面まではかなり深い。河岸に植えられた多くの桜が、トンネルになっている所や、両岸から川面に向かって枝を拡げている所もあり見事である。また散り始めたところは、花筏となって川面を埋め尽くし、さながら雪景色を見ているようである。2012_0410_152320cimg1431

桜並木を歩いて行くと、結婚式場で有名な椿山荘の入り口がある。庭園が開放されており、中に入ってみる。結婚式を済ませたカップルが写真を撮っていた。この日は将棋名人戦が行われていたこともあり、TVカメラを抱えたスタッフや観光客で賑わっていた。2012_0410_155542cimg1436

また近くに新江戸川公園があり、庭園が立派だというので入ってみる。ここは旧熊本藩細川家の屋敷であったものを、昭和35年に東京都が買い取り公園として開園した。3800坪の広大な敷地は、中央の大きな池をひと回りできるようになっており、満開の桜が池面に映り美しい。

花見を楽しんだ後は新宿へ出て飲み会。幹事S氏が捜した魚料理中心の居酒屋で3時間飲み放題付きで3980円は格安である。新鮮な魚と日本酒・焼酎を堪能した。

2012.04.07

孫とお花見

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娘が港北ニュータウンに所用があり、○太郎を連れてやって来た。このニュータウンの中心部にあるモールの屋上には観覧車が動いている。みなとみらい地区や他にも観覧車はあるが、ビルの屋上にあるのは珍しい。さっそく○太郎達と乗ってみた。ビルの上にあるので視界が良く、遠くには東京タワーやスカイツリーもかすかに見ることができた。大人の我々には、物珍しさもあって楽しかったが、○太郎にはどう映ったのだろうか?2012_0410_094432cimg1413

開花は遅れたが、桜がやっと満開となった。我が家の庭も一斉に花が咲いた。例年、3月初に先ず木瓜が咲き、雪やなぎ、桃と続くのだが、今年は木瓜の開花が遅く、4月になって桃と一緒に満開になった。白い雪やなぎ、淡いピンクの木瓜と濃いピンクの桃が美しさを競っている。2012_0408_113556cimg1405

近くの公園の桜も、丁度見ごろである。○太郎を連れて花見を楽しんだ。公園にはブランコやすべり台などがあるので、○太郎は喜んで遊んでいる。この公園の近くにバイパスが通っており、これを跨ぐ橋の上から下を走る車を眺めるのが、○太郎のお気に入りである。1歳頃から、公園に来ると必ず橋まで足を運び、車を見るのが常であった。従って今は、公園で遊んだ後、さっさと歩き出し橋まで行かないと気が済まない。2012_0410_130637cimg1418

この日も満開の桜を楽しむ「ジイジ」を置き去りにして、橋の方へ行こうとするので、慌てて追いかけた。○太郎にとっては「花よりクルマ」であった。

2012.04.05

第五回 萬歳楽座

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一調 「杜若」 謡 大槻文蔵 大鼓 観世元伯 「是界」 謡 観世銕之丞 大鼓 金春國和

能 「安宅」 勧進帳 貝立貝付 延年之舞 シテ/武蔵坊弁慶 観世清和 子方/源義経 藤波重光 ツレ/義経の郎等 浅見重好 津田和忠 山階彌右衛門 関根知孝 藤波重彦 上田公威 藤波重孝 観世芳伸 岡久広 ワキ/富樫 宝生閑 アイ/強力 山本東次郎 同/富樫の従者 山本泰太郎 笛 藤田六郎兵衛 小鼓 大倉源次郎 大鼓 亀井忠雄 地頭 観世銕之丞 主後見 片山幽雪

第五回萬歳楽座の公演を国立能楽堂で観た。これは笛方藤田流宗家である藤田六郎兵衛の主宰する公演で、平成22年3月に第1回が開かれた。毎回、囃子方の流儀の違いや実演などを取り入れ、分かり易く見せるなどユニークな企画が興味深い。更に演者も当代の実力者をずらりと揃え、贅沢な番組編成となっている。

このような活動が評価され、昨年は「観世寿夫記念法政大学能楽賞」を受賞し、また10月公演の「道成寺」が「平成23年度 文化庁芸術祭大賞(演劇部門)」を受賞するという栄誉に輝いた。この日も六郎兵衛により太鼓方観世流と金春流二流義の違いや実演が披露され見所を沸かせた。

能「安宅」は歌舞伎の「勧進帳」の元となった能で、安宅の関での弁慶と富樫の駆け引きやクライマックスでの弁慶の男舞など見どころが多い。家元清和は期待に違わず、力強い謡いと所作で迫力充分の勧進帳を演じた。またツレの義経郎等9人は、いずれも中堅の役者を揃えただけあって、一糸乱れぬ動きは見事であった。更にワキの宝生閑はじめ囃子方三役に大物実力者を配したことにより充実した舞台となった。後見も含めると3人もの人間国宝が一堂に会するのは珍しい。

惜しむらくは、義経役を演じた子方が力強さに欠け、弱々しい義経となってしまったことである。昨年10月の国立定例公演では、義経を子方とせず、ツレとして九郎右衛門を起用したが、この方が義経らしく、舞台が引き締まって良かったと思う。

2012.04.01

好謡会 4月例会

偶数月の第1日曜日に開かれる素謡の会「好謡会」に参加した。これまで世話役を勤めて頂いたT氏が、昨年秋クモ膜下出血で倒れて以来、私が世話役を引き受け、会を続けている。今月の番組は「鵺」「屋島」「采女」の三番である。私の役は「采女」のシテを当てられている。

この3年間、仕事でハワイへ移住していたF氏が3月に帰国され、今月から再び参加することとなった。早速「鵺」のワキを勤めて貰った。全く謡曲から遠ざかったいたとのことであったが、昔取った杵柄とやらで、難なく謡われた。

また鎌倉のK氏が風邪のため欠席となり、K氏が勤める筈であった「屋島」の地頭を私が勤めることとなった。合戦の場面など力強い剛吟が続くので、すっかり喉を枯らしてしまった。次いで私のシテ番である「采女」となった。帝の寵愛を失った采女が猿沢の池に身を投げるという悲劇なので、静かにしっとりを心がけ謡った。喉の枯れも気にならず、高い調子を保つことができた。

ところで会場として借りている港区立福祉会館が、老朽化による建て替えのため8月末で閉鎖されることとなった。ここは広さも、料金も手ごろなので長い間借りていた。別の謡会である「松籟会」もここを使っている。残念だが、代わりの会場を捜さなければならない。

2012.03.30

映画 「戦火の馬」 「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」

3月も2回劇場に足を運び映画を観た。いずれもアカデミー賞にノミネートされた話題作である。

「戦火の馬」 監督 スティーヴン・スピルバーグ 主演 ジェレミー・アーヴァイン エミリー・ワトソン デヴィッド・シューリス

第1次世界大戦を舞台に、主人公の少年アルバートとその愛馬ジョーイとの絆を描いたもので、今年度のアカデミー賞作品賞にノミネートされた。農村に住むアルバートの愛馬ジョーイが軍馬として騎兵隊に売られ、フランスの戦地に送られてしまう。一方アルバートも軍隊に志願し、ジョーイと劇的に再会し帰還する。主人公はアルバート少年より、むしろ馬のジョーイであろう。明らかに演技をしていると思わせるようなシーンが随所にでてくる。また戦闘場面は別にして、広大な野山を駆け巡る馬と少年のシーンは雄大で、かつ映像が極めて美しい。

「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」 監督 カルダ・ロイド 主演 メリル・ストリープ ジム・ブロードベント

1979年に英国史上初めて女性として首相に就任したマーガレット・サッチャーの半生を描いたもの。「鉄の女」と称されたサッチャーは財政赤字を解決し、フォークランド紛争に勝利したことなどにより、国民から絶大な支持を得ていた。しかしその陰に、献身的な夫の支えがあったからで、ある程度家庭を犠牲にせざるを得なかったのである。

最近は認知症を発症し、人前に姿を見せることはないようだが、過去と現実が錯綜し、既に亡くなっている夫に語りかけるシーンなどは胸に迫る。今年度のアカデミー賞主演女優賞を受賞したメリル・ストリープの渾身の演技やメーキャップは素晴らしく、サッチャーになり切っていた。

2012.03.24

孫のショートステイ

孫の○太郎が3泊4日のショートステイで滞在中である。しかも一人でのお泊りである。1月末に2歳の誕生日を迎えた○太郎は、もう母親が一緒に居なくても寂しがることはない。1月に泊りに来た時には「ママは?」と聞くことがあったが、もう慣れてしまったのか、聞かれることはない。その分、妻と私が両方で親の代わりになり、「育ジイ」「育バア」に精を出している。

妻は毎日のメニューを工夫し、大人用のおかずを食べさせている。昨晩は麻婆豆腐と胡瓜・ワカメの酢の物であり、一昨晩は魚の煮付けとポテトサラダであった。大人用と云っても勿論、○太郎分は辛味を抜いたり、塩分少なめにしてある。幸い好き嫌いが全くないので、出されるものを全て「オイシイ・オイシイ」と云いながら食べている。間食を殆んどせず、またアメやチョコレートなどの甘いモノとは無縁で、せいぜいアンパン程度なので、野菜など本来の味が美味しいのであろう。

○太郎は文字や言葉を覚えるのが早く、アルファベットやカタカナも全て覚えてしまった。表現が豊かでダジャレを使ったりして我々を笑わせてくれる。「イルカちゃん、イルカちゃん、シズカちゃん」や「サヨナラ・ラ・ラ・ラ・トウチャン」と一人言を云いながら、自分でも面白いのかケラケラ笑っている。またスーパーの売り場でパイナップルを見つけると「カンパイーン」と叫ぶ。どうやら誕生祝いなどで「乾杯!!」と云ったことを憶えていて、「パインナップル」と結び付けたようだ。2012_0323_091116cimg1374

また「ABCソング」を覚え、時折り「♪ABCDEFG・・・・Happy Happy Shall We Be・・・♪」と唱っている。昨日はピアノを弾くというので、ピアノの前に座らせると、勝手に鍵盤を叩きながら「♪ABCD・・・・」と唄い出したのには驚いた。TVの幼児番組で、歌手がピアノを弾きながら、色々な歌を唄っているのを真似たのであろう。まさに○太郎即興の弾き語りであった。2012_0323_100351cimg1382

○太郎の好奇心は相変わらず旺盛で、新たに見るモノには何にでも興味を示す。娘が子供の頃使っていた地球儀が残っていたので見せたところ、すっかり気に入ったようである。早速、ここが日本、広い海は太平洋などと教えると、自分でくるくる回しながら「アメリカ」「インド」など指差している。地球儀で日本は赤く塗られているので、分かり易いのだろう。「ニッポンはここ」と教えてくれる。そのうち世界地図帳を見せ、地理を教えてやろう。そして近い将来、一度海外旅行へ連れて行ってやりたいと、今から楽しみにしている。

○太郎は明日、父・母の待つ自宅へ帰る予定である。

2012.03.16

国立能楽堂 3月企画公演

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講演 「語りきれないこと」ー災害からの復興と文化の力ー 大谷大学教授 鷲田清一

能 「砧」 梓之出 前シテ/芦屋の妻 後シテ/芦屋の妻の霊 観世清和 ツレ/夕霧 坂口貴信 ワキ/芦屋某 森常好 ワキツレ/従者 森常太郎 アイ/下人 山本泰太郎 笛 藤田六郎兵衛 小鼓 大倉源次郎 大鼓 亀井広忠 太鼓 観世元伯 主後見 木月孚行 地頭 梅若玄祥

演能に先立って講演があった。元大阪大学総長鷲田清一氏の講話である。氏は臨床哲学が専門で、神戸大震災の経験を元に今回の大震災に対して様々な情報を発信している。印象的だったのはcopresense「いてくれること」という言葉であった。これは「じっと見守ってくれている人がいるということが、いかに人を勇気づけるか」ということで、我々も大震災からの復興に向け肝に銘じて置きたい。

「砧」は、都に上ったまま戻らぬ夫への嘆きを描いたもの。世阿弥は「かやうの能の味はひは末の世に知る人あるまじ」といったとのこと。それだけ奥の深い能なのであろう。従って単に夫への恨み、つらみを表わすだけではない筈だ。妻への愛情を持ちながら、仕事のため帰れないという夫の苦渋と、夫への恋しさを抱きながら、ひたすら帰りを待つ妻という夫婦間の愛情表現が必要であろう。

この日の舞台は宗家・清和のシテ、ツレの坂口、ワキ、森の夫々の役になり切った所作と謡、更に玄祥率いる地謡陣のメリハリの効いた謡、ベテランの囃子方夫々が実力を如何なく発揮し最高の舞台を作り上げた。特に鬼気迫る清和のシテに対し、ソフトに対応する森の絶妙のバランスが味わい深い愛情表現となった。

2012.03.13

春野菜の準備

彼岸の入りも近いというのに風は冷たく、真冬並みの寒さが続いている。この2~3日は気温は低いものの、よい天気で、日差しは春の到来を感じさせるように明るい。菜園は冬野菜が終わりかけ、春・夏野菜への切り換え時期となった。2012_0313_112746cimg1359

この晴れ間を逃さずジャガイモの植え付けを行った。今月初めに既に畝を切り、肥料を入れて準備していたのだが、育ジイや謡会などが重なり、空いている日は雨が降ったりで、菜園へ出る機会が中々見つからなかった。今日は珍しく朝から快晴で、畑仕事には申し分ない。例年種イモは買わず、家に買い置きのジャガイモを種イモとして植えている。今年は近くのJAで「キタアカリ」1袋(1kg)を買ってみた。家にあった「男爵」とで約30ヶを3畝に分けて植え付けた。2012_0313_112817cimg1360

また以前マルチングを行ったイチゴに新芽が出始め、花も咲き出した。これから暖かくなれば徐々に実を付けてくれるであろう。昨年は実が色づいてきたので、鳥除けのネットをかけようと思っていた矢先に、カラスに喰い荒らされてしまった。今年は同じ轍を踏まぬよう、悪賢いカラス対策を講じなければならない。

2012.03.09

銕仙会 3月定期公演

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能 「自然居士」 古式 シテ/自然居士 馬野正基 子方/女児 馬野訓聡 ワキ/人商人 大日向寛 ワキツレ/人商人同輩 御厨誠吾 アイ/雲居寺門前ノ者 山本泰太郎 笛 杉信太朗 小鼓 古賀裕己 大鼓 亀井広忠 地頭 浅見真州 主後見 片山九郎右衛門

狂言 「八句連歌」 シテ/何某 山本東次郎 アド/亭主 山本則俊

能 「国栖」 白頭・天地之声 前シテ/魚翁 後シテ/蔵王権現 観世銕之丞 前ツレ/老嫗 清水寛二 後ツレ/天女 観世淳夫 子方/王 長山凛三 ワキ/侍臣 森常好 ワキツレ/輿舁 舘田善博 同 森常太郎 アイ/追手ノ兵 山本則重 同 山本則秀 笛 藤田貴寛 小鼓 曾和正博 大鼓 柿原弘和 太鼓 観世元伯 地頭 山本順之 主後見 野村四郎

3月定期公演を観た。「自然居士」が終わり、狂言が始まった直後、見所で大声で喚いている男性の声がした。どうやら遅れて席に着いた女性を叱責しているようだ。どんな事情か不明だが、開演中に大声を出すなどマナー違反である。

「自然居士」 人商人に連れ去られた少女を助けようと、自然居士は人商人を追いかけ対決する。人商人は少女と引き換えに自然居士に舞を舞わせたり、鞨鼓を打ち囃すよう要求する。自然居士は夫々の芸を披露し、少女を取り返す。

銕仙会中堅の実力者馬野がキビキビした動きで、芸尽くしの見せ場を力強く演じた。子方を演じた訓聡くんは実の息子で、約1時間じっと座っていることに耐え抜き、見事な親子競演であった。

「国栖」 大海人皇子は皇位継承の争いから大友皇子に追われ、吉野の山中に逃れる。そこに住む老夫婦は皇子を匿い、追手をやり過ごす。やがて老夫婦の姿は消え、天女と蔵王権現が現れ舞を舞う。銕之丞演じる追手の兵を追い払う老人と、後半での蔵王権現の威光を示す舞は迫力満点であった。

2012.03.04

潮謡会 3月例会

みねお毎月第1日曜日に開かれる素謡の会「潮謡会」に出席した。偶数月の第1日曜日は「好謡会」と重なってしまうので1月以来である。この謡会には昨年3月に、友人K氏と一緒に入会したばかりで、早や1年経った。昨年同様3月は、謡会終了後、近くのレストランで懇親会が開かれる。

番組は「嵐山」「田村」「百万」「隅田川」の4番である。今月の役付けは「百万」の地頭のみの筈であったが、常連のKo氏、M氏が欠席となったため、「嵐山」のワキも勤めることとなった。「嵐山」はポピュラーな曲で、ワキは神官なので少し高めの調子でサラリと謡った。

「百万」は行方不明となった我が子に再会した母親を描いた曲で、メリハリの多い面白い曲である。2月の銕仙会定期公演で、柴田稔のシテ、銕之丞の地頭で演じられたのを観たので、その舞台を思い出しながら謡った。

懇親会は昨年同様近くの和食レストランで。日曜日の午後なので家族連れや法事の会食で混み合っていたが、予約してあった個室に上がり込むことができた。遅い昼食を兼ねた懇親会となった。4曲続けて謡った後なのでビールが殊のほか旨い。皆のリクエストに応えW氏が浪曲の一節を披露するなど盛り上がり、明るいうちに散会となった。

2012.02.29

大雪の2月29日

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閏年の2月29日は明け方から雪で、朝になっても降り止まず久しぶりの積雪となった。都心でも積雪で高速道路の閉鎖や交通機関の乱れが報じられている。昨年は2月11日の3連休と14日のヴァレンタインデーに積雪となったが、3月目前の雪は珍しい。昼過ぎまで降り続いた雪は、吹雪のように横なぐりに降るときもあった。窓から見る景色は雪国を思わせる。2012_0229_133826cimg1353

幸い夕方前には雨に変わり、やがて止んだ。早速外に出て雪かきを始める。横浜市でも自宅近辺は坂道が多く、凍ってしまうと滑りやすくなり危険だ。隣り近所の人達も出て来て、自宅前の雪を道路脇に除けた。一人で行うのは大変だが、隣り近所で一斉に行えば短時間で作業を終えることができる。2012_0229_171835cimg1357

近くの菜園に行ってみると、雪にすっぽりと覆われ、まるで雪の布団をかぶっているようである。昨年秋に播いたサヤエンドウが順調に育ってきているので、雪の被害に遭わぬようにビニールのトンネルでカバーして置いた。積もった雪を払ってやったが、15cm以上積もっていた。そろそろジャガイモの植え付けの時期となるが、雪が融けるまでは待たざるを得ない。春が待ち遠しい今日この頃である。

2012.02.19

百段雛まつりと世界らん展

「百段雛まつり」と「世界らん展」などを観るツアーに妻に誘われ参加した。いずれも現在開催中の期間限定のイベントである。最寄り駅に7:30集合し、K社のバスに乗り込む。座席は満席で総勢46人のツアーである。2012_0219_095955cimg1286

まず梅の名所でもある湯島天神へ向かったが、遠回りをして今月12日に開通したばかりの「ゲートブリッジ」を渡った。ゲートブリッジは高さ88m、長さ2600mもあり、橋の上からの眺めは素晴らしい。恐竜が向かい合ったような形をしているところから恐竜橋とも呼ばれている。湯島天神の境内には300本の梅が植えられており、「梅まつり」が開かれていた。今年は開花が遅れ、ほんの数本が咲いている程度で拍子抜けであった。それでも受験シーズンとあって境内は賑わっていた。2012_0219_134737cimg1308

次いで目黒の雅叙園へ。ここでは「百段雛まつり」と称して、昭和10年建築の木造の建物7部屋に、京都の公家、大名家のお雛様をはじめ、江戸の古今雛など、昔のお雛様が所狭しと飾られている。その七つの部屋を繋ぐ階段廊下が99段あるところから「百段階段」と呼ばれている。各部屋の天井や欄間の絵画も豪華絢爛たるものであるが、混雑のためゆっくり鑑賞できず残念であった。

昼はPホテルのランチビュッフェで腹ごしらえをし、新大久保のコリアンタウンへ。韓国料理店や食材店などが軒を連ねている通りを散策。学生時代、新大久保と云えば何か怪しげな雰囲気の歓楽街というイメージであったが、今や昔の面影は全くない。日曜日とあって狭い通りは大混雑であった。2012_0219_160857cimg1315

次いで今回の目玉の一つである「世界らん展 日本大賞2012」の開かれている東京ドームへ。毎年2月下旬に開かれるこの展覧会は今年で22回目で、世界21カ国・地域の3000種・10万株の蘭が展示されている。2012_0219_161546cimg1321_2

私もかつてはシンビジウムを40鉢程育てていたことがあり、TVの「趣味の園芸」を観たり、昨年亡くなった園芸家の江尻光一の講座を聴くなどして勉強したものだった。蘭は植え替えや温度管理など手間がかかる分、見事な花を咲かせるので愛好者も多い。2012_0219_172134cimg1342

会場の東京ドームの広いグラウンドはディスプレイエリアと販売エリアに分けられている。ディスプレイエリアには個別審査部門をはじめフレグランス部門、ディスプレイ部門などに選りすぐりの作品が展示されている。なかでも圧巻は個別審査部門で今年の日本大賞に輝いたデンドロビウム「ハツエ」である。700本の茎に2000輪の花を付けたデンドロビウムが一つの鉢に収められ素晴らしい作品である。昨年の日本大賞を受賞した江尻光一の作品も展示されていた。話題となったボルネオの「青い蘭」は待ち時間1時間というので諦めたが、蘭で彩られたアーチをくぐり会場を後にした。

2012.02.15

映画鑑賞

「聯合艦隊司令長官 山本五十六」 監督 生島出 主演 役所広司 柄本明 柳葉敏郎

「マイウエイ 12000キロの真実」 監督 カン・ジェギュ 主演 チャン・ドンゴン オダギリジョー ファン・ビンビン

「J・エドガー」 監督 クリント・イーストウッド 主演 レオナルド・ディカプリオ ナオミ・ワッツ アーミー・ハマー

1月中旬から2月にかけて3本の映画を観た。昨年3月の震災前に「英国王のスピーチ」を観て以来、実に10ヶ月振りである。震災後「育ジイ」に精を出したことなどで、映画館から足が遠のいてしまっていた。1月に少しの暇を見つけ、久しぶりの映画を楽しんだ。1本観ると次に観たくなるのが常で、2回も足を運んだ。

「山本五十六」は戦争映画とは云うものの山本五十六の人間性にスポットを当てたもの。海軍次官であった彼は、日独伊三国軍事同盟に反対し、陸軍や世論の圧力にも信念を曲げず反対を貫く。しかし聯合艦隊司令長官に任ぜられ、開戦必至となるや、短期決戦を狙い真珠湾攻撃を仕掛ける。それでも事前通告に拘るなど、人間山本五十六の一面を描いており興味深かった。

「マイウエイ」は第2次大戦下で長距離ランナーである一人の日本人と韓国人が主人公。日本軍・ソ連軍・ドイツ軍と三つの異なる軍隊に所属しながら、ノルマンディまでの12000キロを戦い抜いたという事実に基づいた物語。日本統治下の朝鮮半島で、かつてはマラソンの良きライバルであった二人が、数奇な運命に翻弄されながらも、友情が芽生えるというヒューマンな面と戦闘場面のすさまじさが好対照である。

「J・エドガー」はFBI初代長官エドガー・フーバーの半生を描いたもの。FBIの組織改革に始まり、科学的な捜査方法の導入、リンドバーグ誘拐事件など輝かしい業績を上げ、8人もの大統領に仕えたフーバー長官。しかし私生活では母親から溺愛され、生涯独身を通し、部下との同性愛と思われるような一面も描かれる。悪名高いフーバーファイルに対する大統領との確執が、余り描かれていないのは、やや肩すかしであった。

2012.02.10

銕仙会 2月定期公演

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能 「弱法師」 盲目之舞 シテ/俊徳丸 片山九郎右衛門 ワキ/高安通俊 宝生欣哉 アイ/通俊ノ下人 高野和憲 笛 一噌隆之 小鼓 観世新九郎 大鼓 國川純 地頭 浅井文義 主後見 野村四郎

狂言 「寝音曲」 シテ/太郎冠者 野村万作 アド/主 石田幸雄

能 「百万」 シテ/狂女百万 柴田稔 子方/百万ノ子 谷本悠太朗 ワキ/里人 野口敦弘

アイ/釈迦堂門前ノ者 深田博治 笛/内潟慶三 小鼓/森澤勇司 大鼓/佃良太郎 太鼓/小寺佐七 地頭 観世銕之丞 主後見 山本順之

銕仙会2月公演を観た。2月は例年空席が目立つのだが、今年は脇正面に少し空席が見られる程度で、ほぼ満席である。これは2番ともポピュラーな曲で、いずれも生き別れた子に再会するという点でも人気曲だからであろう。更に京都が地盤の片山九郎右衛門が久々に銕仙会に出演するということと、「青葉乃会」を主宰する実力者柴田稔と二人の役者が揃ったためではないかと思う。

ロビーで、大御所片山幽雪の姿を見かけた。やはり息子の東京での舞台が気になるのであろうか。

「弱法師」は親に捨てられ、流浪のうちに盲目になった俊徳丸が天王寺にやって来て、父と再会する。盲目の少年が主人公であるので、哀れさや、痛々しさを感ずる曲である。

九郎右衛門は、風邪でも引いて、余程体調が悪かったのか、前半は声がかすれ、詞章を間違えたりするところもあったが、後半は持ち直し、盲目の哀れさを静かな舞で表わした。「盲目之舞」という小書(特殊演出)により、舞っているうちに通行人と見立てたアイとぶつかって、よろめき倒れる所作は、些かリアル過ぎた。

「百万」は生き別れた我が子を捜し、物狂いとなった百万が主人公。狂女百万が嵯峨野清涼寺の大念仏に現れ、念仏の音頭を取る。僧に拾われた幼子はその狂女が母であることに気づく。南無釈迦弥陀仏と、一心に唱える姿を哀れに思った僧は、幼子を母と再会させる。

シテの柴田稔は、我が子を失った悲しみと物狂いの様子を、やや抑え気味に表現し、再会を果たした嬉しさをドラマチックに演じた。銕之丞を地頭、副地を真州とする地謡陣が良くまとまって、高い調子で謡いあげ、見事にシテを支えた。

更に特筆すべきは、子方の悠太郎クンの頑張りである。恐らく6~7歳かと思うが、少し詞章を謡う場面以外は、片膝を立て、じっと脇座に座っている。約一時間もの間、その姿は崩れることなく、本当に可愛い上に立派でもあった。

2012.02.04

森井荷十コレクション展

練馬区立美術館で開かれている「森井荷十コレクション展」を観た。妻の学生時代の友人M氏から案内状を貰ったので、妻に誘われて西武線・中村橋にある美術館へ行って来た。Img092

森井荷十は本名森井嘉十郎と云い、明治18年生まれで倉庫会社に40年勤務したサラリーマンであった。その傍ら川柳作家として活躍し、明治時代の終わり頃には、川柳雑誌「矢車」を創刊するなど川柳の近代化に足跡を残した。また美術品のコレクターとしての一面も持ち多くの美術品を集めていた。日本画の掛軸や江戸の風情を残す明治初期の東京を描いた版画、若い作家達の木版画作品など、昭和初期に集中して収集されたようである。このコレクションの一部、約90点が展示されている。

M氏は森井荷十の孫に当たる人で、偶然展覧会場で出会い、我々に展示品を色々説明してくれた。荷十はM氏が二歳の時に亡くなったので、お爺さんの記憶は殆んどないとのこと。荷十の厖大なコレクションを多くの人に観て貰いたいとの思いから、練馬区立美術館に寄託し、今回の展覧会となった。展示品の中には鏑木清方の「朧駕籠」や富岡鉄斎の「東坡壁画」など著名な作家の作品も出品されていた。2012_0204_155729cimg1268

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八重洲口で所用があったので、池袋から地下鉄で東京に向かったが、お茶ノ水で途中下車して「神田明神」と「ニコライ堂」へ寄ってみた。両方とも近くを通ることはあるものの、お参りをしたり、中に入ったことはなかったので丁度良い機会であった。「神田明神」は仕事初めの日の参拝や夏祭りなどTVのニュースでよく見る。都心にありながら境内はかなり広く、建物はコンクリート造りで煌びやかである。この日も参拝客で賑わっていた。交通安全・学業成就というお守りが目に付いたので、孫の○太郎用にと買い求めた。次いで「ニコライ堂」へ廻ったが、夕方遅い時間だったので聖堂の中に入ることはできず、外観を眺めるだけとなってしまった。白壁と緑のドームが印象的で、隣接する高層ビルに負けず、どっしりとした存在感があった。

2012.01.28

孫の誕生日

孫の○太郎がめでたく満二歳の誕生日を迎えた。これまで熱を出したり、下痢をしたりなど病気とは無縁ですくすくと育っている。好き嫌いが全く無く、良く食べ、よく眠り、健康そのものである。2012_0128_124330cimg1230

「○たろうくん」と記されたチョコプレートを付けたバースデーケーキを携え、娘宅での誕生祝いに行ってきた。昨年はショートステイで我が家に来ていたので、少し早めに一歳の誕生祝いを我が家で行った。その日、バースデーケーキを前にしての記念撮影は、ご機嫌斜めで泣き出してしまい、写真にならなかった。その後の1年間の成長は著しく、未だ食べたことのないケーキに興味津々で、生クリームを指で突いて舐めたりしている。2本のローソクを立て、皆で「♪ハピイバースデートゥユー」を唄って祝った。今日が何か特別な日であることは理解しているようで、神妙に皆の歌を聴いていた。2012_0128_134055cimg1235

○太郎は今月から週1回幼児教室に通い始めた。これは一人っ子の○太郎に早く社会性を身につけさせるためで、1時間のクラスに10人の2~3歳児が参加している。当初は親から離れると泣き出してしまうのではないかと心配したが、全く杞憂に終わった。母親の存在など忘れたかのように、嬉々として教室に入り、泣きやまない他の幼児たちを不思議そうな顔で眺めていたとのこと。先ずは一安心である。

近ごろは単語を並べるだけでなく、色々な言葉を覚え使い始めている。「○ちゃんも食べる」や「公園に行く」など主語・述語をはっきりさせた話し言葉になってきた。時には自分で言葉を作り、まるでおやじギャグのように我々を笑わせてくれる。

食卓の幼児用の高い椅子から降りる際、「おりるれろ」と云いながら降りる。最初は何を云っているのか分からなかったが、五十音の「らりるれろ」をもじっているのに気がついた。また公園で遊んでいる子供達がハッハハ・・・と笑っていたら、それを聞いて「ハッハヒフヘホ」と一人言を云いながら喜んでいた。どうやら一歳頃から五十音の絵本を読んでいたので、似たような言葉を聞くと、五十音を連想するのであろう。2012_0128_134510cimg1239_2

幼児教室では、そのうちiPadでお絵かきをするというので、父親がiPadを与えて遊ばせている。○太郎は画像を見たり写真を撮ったりと自在に使いこなしている。人差指をピンと立てスクロールする様子はサマになっており、大人顔負けである。二歳からPCを使うようになるとは、頼もしいような、末恐ろしいような複雑な気持ちである。

2012.01.24

第26回 NHK能楽鑑賞会

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一調一声 「三井寺」 小鼓 大倉源次郎 シテ 本田光洋

狂言 「文山立」 シテ 山本則俊 アド 山本則秀

能 「船弁慶」 重キ前後之替 名所教 船唄 前シテ/静御前 後シテ/平知盛の怨霊 梅若玄祥 子方/源義経 梅若秀成 ワキ/弁慶 殿田謙吉 ワキツレ/従者 大日向寛 同 則久英志 アイ/船頭 山本東次郎 笛 一噌隆之 小鼓 観世新九郎 大鼓 柿原弘和 太鼓 助川治 地頭 観世喜正 主後見 梅若長左衛門

横浜能楽堂で毎年開かれるNHK主催の能楽鑑賞会を観た。観覧希望者はハガキで応募するのだが、抽選で外れ当たったことが無い。今年は幸い当選し、2名まで入ることができる入場整理券が送られてきた。当日、会場で座席指定券と引き換えになるので、妻を連れて行列に並んだ。後ろの席になるのではと心配したが、正面の4列目という申し分ない席に座ることができた。

正面及び脇正面には撮影用のTVカメラが据えられ、いつもの雰囲気とはやや異なる。しかも正面、脇正面とも後ろの数列は全て空いており不思議だ。係の人に尋ねると、座席数以上の整理券を送っていても、当日会場に来ない人が多数いるとのこと。抽選に当たっても、当日会場に来ないというのは勿体ない話だ。

「船弁慶」は歌舞伎でも演じられるポピュラーな曲。前半は義経と別れ都へ帰る静御前、後半は平知盛の幽霊が主人公である。静と動との変化や、アイ狂言の船頭の語りなど見どころが多い。名手玄祥は前半の静御前は、巨体が邪魔をしていささか情緒に欠けるものの、後半になると面目躍如たるものがあり、テンポの早い舞や動きは迫力満点であった。またアイの東次郎の語りも力の入った熱演であった。

2012.01.19

松籟会 1月例会

毎月第3木曜日に開かれる素謡の会「松籟会」に参加した。番組は「神歌」「高砂」「千手」「鞍馬天狗」の四番。初会は恒例により日本酒の乾杯から始まる。今年は世話役のI氏が用意した新潟の銘酒「越乃寒梅」であった。

「神歌」は「翁」の歌詞に当たるものでおめでたい曲である。長老のK氏がシテ役の翁を勤め「とうとうたらりたらりら・・・」と謡い出す。謡会などでは殆んど謡われることは無く、しかも難しい。稽古をしたこともないので、小声で皆について謡った。

私の役は「高砂」のワキであった。ワキは阿蘇の宮の神主であるので、高い調子でしっかりと謡った。神主らしくなったのではと思っている。この曲の「四海波静かにて・・・」や「高砂や。この浦舟に帆をあげて・・・」は嘗て結婚式披露宴での定番であったが、今では謡われる機会が減ってしまった。残念である。

2012.01.15

銕仙会 1月定期公演

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「翁」 翁 観世銕之丞 千歳 観世淳夫 三番叟 山本東次郎 面箱 山本則秀 笛 藤田六郎兵衛 小鼓頭取 大倉源次郎 小鼓脇鼓 田邊恭資 同 飯塚孔明 大鼓 柿原崇志 地頭 野村四郎 主後見 片山九郎右衛門 

狂言 「佐渡狐」 シテ/佐渡の百姓 山本則俊 アド/越後の百姓 山本則秀 アド/奏者 山本則重

能 「箙」 前シテ/里人 後シテ/梶原源太景季 谷本健吾 ワキ/旅僧 殿田謙吉 ワキツレ/従僧 坂苗融 同 大日向寛 アイ/生田ノ里人 山本凛太郎 笛 寺井宏明 小鼓 幸正昭 大鼓 柿原光博 地頭 浅井文義 主後見 観世銕之丞

能 「鷺」 シテ/鷺 浅見真州 ツレ/王 片山九郎右衛門 ワキ/蔵人 宝生閑 ワキツレ/大臣 宝生欣哉 ワキツレ/従臣 宝生朝哉 同 坂苗融 大日向寛 高井松男 同 輿舁 殿田謙吉 同 平木豊男 アイ/官人 山本則俊 笛 一噌庸二 小鼓 幸清次郎 大鼓 亀井忠雄 太鼓 助川治 地頭 山本順之 主後見 野村四郎

銕仙会の初会に行った。お正月らしく見所は和服姿も多く華やいだ雰囲気である。

「翁」 能にして能にあらずと云われる神事で、銕之丞・淳夫親子が厳かに天下泰平・国土安穏を祈念して舞い、三番叟の東次郎がベテランらしくゆったりと五穀豊穣を祈念して舞った。

「箙」 箙に梅の枝を挿して戦ったという風流な若武者、梶原源太景季が主人公。銕仙会若手の谷本健吾の凛々しく、力強い舞であった。

「鷺」 帝から官位を授かった鷺が喜びの舞を舞う。白一色の装束で少年か還暦を過ぎた能役者にしか許されない曲とのこと。古稀を迎えた真州の舞が美しい。ワキなどに出演の宝生閑親子・孫の共演が花を添えた。

終演後は恒例の新年会であるが、年末のS氏の入院、仙台在住のOさんの欠席、Suさんの風邪などで3人だけのささやかな新年会であった。

2012.01.08

潮謡会 1月例会

毎月第1日曜日に開かれる素謡の会「潮謡会」に参加した。今年の謡い初めである。今月は第1日曜日が元日のため、繰り下げて8日となった。第2日曜日は、同じ素謡の会「閑謡会」が開かれるので重なってしまったが、幹事役Y氏のたっての要請もあり「潮謡会」に出ることにした。

番組は「老松」「巴」「雲林院」「求塚」「野守」の素謡5番で、昼を挟んでの長丁場である。今月はお正月で様々な初会が開かれ、それに参加するためベテランのYa氏、W氏が欠席となってしまった。しかも幹事役のY氏までが、腰痛のため歩くこともままならないとのことで、前日に欠席の連絡を受けた。

そのため、役として「求塚」のシテ、「巴」「野守」の地頭を勤めることになった。「求塚」は二人の男に言い寄られた乙女が、自ら命を絶ち、二人の男も刺し違えて死んでしまうという凄絶な物語である。前半は美しい春の若草摘みの風景から、後半は地獄の責め苦を描いている。陽から陰へと対照的な場面の変化があり、重習初伝となっている難しい曲である。正式に習ったことはないが、幸いFM番組を録音したテープがあったので、それを聴きながら俄か勉強をして臨んだ。

「求塚」のシテ役はどうにかサマになったと思うが、「巴」「野守」を地頭として謡う頃には、すっかり喉が嗄れ、ガラガラになってしまった。高い音も掠れる始末で、稽古不足を露呈してしまった。反省することの多い謡い初めであった。

2012.01.01

2011年の回顧と新年に思うこと

未曾有の大震災と原発事故に見舞われた2011年が終わり、新しい年を迎えた。復興が遅々として進まない被災地や、放射能汚染により住み慣れた地を追われた人々の事を思うと、喜んで新年を祝う気持ちになれない。2011年を永遠に忘れないために回顧してみたい。

仕事 アルバイトとして週に2~3回、新橋にある小さなコンサル会社で仕事をしている。3月11日は会社で机に向かっていた。かって経験したことのない激しい揺れに、すぐさま机の下に潜り込んだ。室内のキャビネットが数本倒れたが、全員怪我もなく幸いであった。しかし交通機関が全て停まり、帰宅難民となってしまった。年度末を控え、仕事に追われていた時期であり、明け方近くまで仕事に没頭できたのがせめてもの救いである。

観能 月2回のペースで年24公演程度を考えていたが、21回能楽堂に足を運んだ。能30番、狂言19番を観た。どれも印象深い舞台であったが、特に心に残る舞台は「融」観世清和(藤波重満三年祭追善能)、「融」友枝昭世(国立能楽堂定例公演)、「姨捨」山本順之(山本順之の会)、「杜若」関根知孝(閑能会)である。

謡会 それまで好謡会・松籟会・閑謡会に参加していたが、3月から奇数月の第1日曜日に開かれる潮謡会に入れて頂き、26回の謡会に出席して素謡83番・連吟14番を謡った。そのうち役としてシテを勤めたのは14番であった。

ガーデニング 自宅の近くに約20坪の畑を借り、野菜作りを楽しんでいる。「愛菜園」仲間15人は3人入れ替わり、少し平均年齢が下がった。7~8年前迄は、菜園の敷地内で「収穫祭」と称して芋煮会などを楽しんでいたが、今は敷地も狭くなり、火を焚くことが出来ないのが残念である。冬野菜は11月過ぎまで高温が続いたせいか、アブラ虫や青虫などが元気で、大根や白菜などが一部やられてしまい、満足のいく収穫ではなかった。夏野菜のトマト・ナス・キュウリなどは、孫の○太郎がオイシイ・オイシイと喜んでくれるので、毎週せっせと娘宅に届けた。庭の桃は摘果が上手くいかず小粒になってしまった。数を欲張り過ぎたせいであろう。今年は心を鬼にして、数を減らし、大粒になるよう心がけたい。

ゴルフ 震災後自粛していたこともさることながら、ゴルフ仲間を二人も失ったため、ラウンド回数が激減し、4回しかプレーしなかった。ゴルフの実力も伯仲し、会社時代からの飲み仲間でもあったO氏とは、年に数回定期的にプレーし、らいおん会などのコンペでも顔を合わせていた。肝臓ガンと診断され、1年後に逝ってしまった。またY氏とは会社時代には一緒にプレーした回数は少ないが、最近の2~3年は4半期に一度のペースでプレーしていた。一昨年9月に肺ガンと宣告され、抗癌剤などの投薬などで闘っていたが、残念ながら5月に負けてしまった。O・Y氏の他にも4人組のS氏の入院、らいおん会メンバーのI氏K氏の故障なども戦線離脱である。不思議なもので、一度ゴルフから遠ざかると、ゴルフに対する熱意が冷めてしまい、プレーしても向上心が湧かない。今年もゴルフの優先順位は現状維持が精一杯であろう。

映画・他 好きな映画も震災前に3本観たに留まってしまった。「最後の忠臣蔵」「悪人」「英国王のスピーチ」といずれも話題作で面白かった。震災後は育ジイに励んだため、映画館に足を運ぶ時間が無くなってしまった。その代わり夏には神奈川芸術劇場での杉本文楽「曽根崎心中」を観る機会に恵まれた。映像や照明など演出を工夫し面白かった。今年は文楽劇場での舞台を観たいと思う。

旅行 2月に優悠会で水上、5月に兄弟会で御宿、7月に中欧4ヶ国、10月にトルコを旅行した。今年は水上での優悠会はS氏の入院により延期となったが、兄弟会は従来通り、海外は北欧か中国を予定している。

育ジイ 今月28日に2歳になる孫の○太郎は可愛い盛りである。車で30分程度のところに住んでいるので、これ幸いとばかり毎週押しかけたり、月に1度はショートステイと称して我が家に連れてきている。熱を出したり、風邪一つひかない健康優良児で、知識欲も旺盛である。今年も更に育ジイ・育バアに精を出し、○太郎の成長を側面援助したい。

2011.12.23

藤波重満 三年祭追善能

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素謡 神歌 藤波重和 今井泰介 連吟 海士

仕舞 「経正」 松本尚之 「天鼓」 下平克宏 

能 「砧」 前シテ/蘆屋某ノ北方 後シテ/北方ノ亡霊 藤波重彦 ツレ/夕顔 藤波重彦 ワキ/蘆屋某 森常好 アイ/下人 高澤祐介 大鼓 安福建雄 小鼓 亀井俊一 笛 寺井久八郎 地頭 山階彌右衛門 副 観世芳伸 主後見 寺井栄

仕舞 「安宅」 藤波重光 「羽衣」 観世三郎太 「道明寺」 観世恭秀 「采女」 関根祥六 「隅田川」 谷村一太郎 「阿漕」 武田志房

狂言 「清水座頭」 シテ/座頭 三宅右近 アド/女 三宅近成

仕舞 「通盛」 角寛次郎 「江口」 野村四郎 「通小町」 坂井音重 「鵜之段」 木月孚行

能 「融」 思立之伝 酌之舞 前シテ/尉 後シテ/融大臣 観世清和 ワキ/旅僧 宝生閑 アイ/所ノ者 三宅右矩 大鼓 亀井忠雄 小鼓 幸清次郎 太鼓 観世元伯 笛 一噌庸二 地頭 岡久廣 主後見 武田宗和 

藤波重満追善能の切符を松籟会でお世話になっているI氏から譲って貰い、松寿の観世会館で観た。本年最後の観能なので、たまには家族サービスと思い妻を案内した。追善能ながら「三年祭」となっているのは藤波家は代々神道だからである。従って番組も、素謡「神歌」で始まり、能2番、仕舞12番、狂言1番、連吟1番と盛り沢山である。

帰郷せぬ夫を待ちわびる妻を描いた「砧」は世阿弥の晩年の名作である。シテを演じた会の主宰者藤波重彦の熱演が印象深いが、披きということもあり、やや力が入り過ぎの感があった。 しかし彌右衛門・芳伸兄弟による地謡陣の息がぴったり合いメリハリの効いた謡が迫力充分であった。

「融」もまた世阿弥に作品である。月に照らされながら、昔を懐かしんで舞う融大臣を描いている。観世宗家清和の「融」を初めて観るが、幻想的に舞う融大臣を見事に再現した。16日に観た友枝昭世の「融」も印象深いものであったが、流派や小書の違いはあるにせよ、宗家の「融」も実に見応えのある舞台であった。

ところで、いつも若者で大混雑の渋谷センター街には珍しい日本そば屋が一軒ある。ここは何時行っても必ず入れる、いわば穴場である。終演後、ここで妻と一足早い年越しそばを食べながら、舞台の余韻を楽しんだ。

2011.12.22

孫の単身お泊り

孫の○太郎が2泊3日でやって来た。しかも一人でのお泊りである。来年1月から幼児教室に通うことになった孫が、親と離れても一人で過ごせるよう、訓練の積もりで預かった。娘宅へ迎えに行き、「今日はママはお留守番で一緒に来ないよ!」と云い聞かせた。家を出る際に泣かれるかと思いきや、ジジ・ババとのお出かけを楽しむかのように、バイバイと手を振って出てきた。むしろ母親の方が心配そうに見送っている。2011_1220_133918cimg1142

来年1月末で2歳になる○太郎は、風邪一つ引かず、好き嫌いも全く無く、昔風に云えば「健康優良児」である。そして想像以上の早さで言葉を覚え、片言ながら会話ができるようになった。食事の時には「オイシイ・オイシイ」と云いながら食べ、ヨーグルトなど、まだ食べたい時には「もう一回!食べる!」とお代わりを要求する。反対にもう食べたくない時は、「イラナイ!」とはっきり拒否して食べようとしない。育ジイとしては甘やかせぬよう心がけている。

ある時、トマトを全く食べずに残したまま、大好物のぶどうを食べようとするので、「トマトを食べなければ駄目!」と叱るとウエーンと泣き出した。それでもポロポロと涙をこぼしながら、「食べる!」と口一杯にほお張り、呑み込んでしまったのには、驚くよりも感心してしまった。

○太郎は既にアルファベットを覚え、数字や色などの英単語を理解している。ある日、オモチャ代わりにヨーロッパ土産のチョコレートの空き箱を二つ持たせたところ、即座に「エンプティ!」と叫んだのである。意味が分かっているのかと、後になって「エンプティ」って何?と聞いてみると、「カラッポ」と答える。誰も教えていないので、どうやら幼児向け番組の英語の時間に覚えたらしい。大した記憶力である。2011_1220_141208cimg1184

外で遊ばせるのは私の役目である。この寒さにも負けずに近所の公園へ連れて行き、公園デビューを果たした。ここにはブランコ・すべり台・シーソー・砂場などがあり、幼児を遊ばせるには最適である。日頃は子供を連れた数人の若い母親が集まっている。○太郎はブランコやシーソーなどには一人では乗れないので、お気に入りは砂場である。持参したプラスティックのシャベルやバケツに砂を入れて遊んでいる。この日は、他に女の子が一人いたが、離れずに一緒になって遊んでいた。

実は、○太郎はこれまで女の子が苦手で、オモチャショップなどで遊んでいても、女の子が寄って来ると、すっと離れてしまう。男の子は平気なのに、何故か女の子には近付かなかったのである。この日の様子を見ると、いつの間にか女の子嫌いを克服?したようで一安心である。

○太郎は我が家にお泊りの3日間、母親が居なくても泣きもせず、良く食べ・よく遊び・良く眠った。これも我々の育ジイ・育バアの成果であろうと自負している。果たして、初めての教室で見ず知らずの人の中で過ごせるかは、保証の限りでない。答えは来年の教室で、はっきりするであろう。楽しみである。

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2012年5月
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